あの素晴らしい愛をもう一度

 合唱曲としても有名で、あちこちで歌った人の話を聞く。私はまだ合唱として歌ったことはないが好きな曲である。
 ザ・フォーク・クルセダーズが2002年にアルフィー坂崎幸之助を加えて復活したときの「新結成記念・解散音楽会」のライブCDにも収録されており、そこでは、コンサートのアンコール1曲目ということで大いに盛り上がっており、坂崎が「北山さん」と声をかけて2番を歌い出すのもおもしろい。
 このCDは2000年以降に私が購入した中で一番好きなもので、時々通勤の車の中でも聞いているが、急に1971年の加藤和彦北山修名義のオリジナル版を聞きたくなった。
 聞いてみると、やはり70年代の懐かしさ、ギターの音色のきれいさが満ちている。初めて彼らの歌として聞いたのは、実は発表されてから10年くらいたったときのFM東京系のマクセルユアポップスのフォークソング特集。
 その日の放送では、高校の文化祭で歌ってみんなで盛り上がった「戦争を知らない子供たち」、女性デュオシモンズの「恋人もいないのに」に続く3曲目として紹介されたのですが、そのときの衝撃というか、オリジナルの雰囲気は忘れられないですね。
 で、「あの素晴らしい愛をもう一度」と「戦争を知らない子供たち」が同じ北山修の作品と知り、で翌日高校の近くの書店で北山修の著書「戦争を知らない子供たち」を見つけて早速購入。結構夢中になって読みましたよ。60年代後半の大学・学生の雰囲気に満ちあふれていました。
 さて、曲の方ですが、歌詞の内容から失恋の歌かと思っていましたが、この歌を北山修加藤和彦の結婚に捧げたというエピソードを聞いてあれっとおもったり、かと思うと、近年、北山修氏自身が、精神医学の講演や著書の中でこの歌の二人は、実は親子(もっというなら母と子)といっていたりしてするのです。
 たしかに2番の歌い出しの「赤とんぼの歌を歌った空は・・」というのは恋人同士より母と子の描写といった方がいいかもしれません(夕焼けこやけの赤とんぼ 負われてみたのはいつの日か、という童謡を思い出します)。それに続く「あのときずっと夕焼けを 追いかけていったふたりの」も同様な描写であり、そうなると「心と心が今はもう通わない」がまた違う意味を持ってくるので興味深いです。北山氏は、どうもこの2番が一番好きなようで、坂崎氏はそれを知っていて2番の前で声をかけたのかな。