「ファイト」聞き役

 太郎と琴子の仲が急展開。太郎のプロポーズの後押しをしたのが村上さん(田村高廣)とは。もっとも、西郷さん(藤村俊二)が結婚したり、自身も佳代さん(三林京子)と少しお近づきになって、関心が高まったせいかな。太郎が隠したつもりでも、しっかり見破られていたわけで。
 啓太に対しては、愚痴の聞き役になって、先週は四万につれてきた隆行も、絹子の受験宣言には参った様子だが、ここで西郷さんが聞き役になって、うまいこと人間関係が回っている。
 琴子にとっては、太郎との交際ではやはり亜沙子が一番本音を話せる相手か。ここで、先週の優の夢に出てきた10年後の話がでてくる。夢の中とはちがって琴子は14の年の差はやはり気になっていたのか。でも太郎の勢いに押されてか、結婚を決意。
 ラストの優が2人の結婚を知る描写はある意味すごい。電話での会話で、亜沙子と琴子の間だから本音がぽんぽん出てきて、(14才年下で太郎と特定できて)よく結婚を決意ということで盛り上がるし、でおばあちゃんもわいわいやるしで、優との気持ちの温度差がどんどんクローズアップされてきて、そして画面で優が大きく写るにつれどんどん小さく感じられるようになり音も遠ざかっていく。あの、学校に行けなくなったときや、昼食の卵焼きを踏んづけられたシーンを思い出す。
 でもこれだけヒロインがショックで固まってしまう作品も珍しいのではないか。何しろ(一時的とは思うが)、これまで優にとっていろいろな悩み事の聞き役であった2人が決定的に遠い存在になってしまうのである。このショックは計り知れない。