題名のない音楽会、本田美奈子追悼特集

 もしかしてと思い、久々にこの番組にチャンネルを合わせると、やはり本田美奈子の追悼特集であった。それにしても今年初めのこの番組への出演が彼女にとって生涯最後の歌手としての出演になるとは。番組の後半では、今年の出演の様子を放送していたが、そこでは彼女の歌手生活20年を振り返っての代表曲3曲を歌っていた。
 アイドル時代の代表曲としては「1986年のマリリン」、ミュージカル時代としてはニュースでも繰り返し流れた「命をあげよう」(ミスサイゴンから)、そして歌劇「トゥランドット」より「誰も寝てはならぬ」であったが、どれも趣深いもの、というより「1986年のマリリン」はヒット当時はあまり好きでなかったが、あらためて聞いてみると、彼女でないと歌えない曲だという気がした。「命をあげよう」はまさに彼女のための曲、12000人のオーディションから選ばれたのもあらためて納得し、そして、この20年の彼女の歌手としての成長をあらためて実感した。
 その他、番組では、2004年以前の放送分から、「つばさ」、「紅葉」(with錦織健)、「私のお父さん」、「Time to say Good-bye」(with布施明)が紹介されたが、「つばさ」の高音ののびはまさにナレーションがいう「伝説の・・」となっていくのだろう。
 それにしても急逝されて、はじめてミュージカル、クラシック時代の歌をきいたが「つばさ」などはCDでもきいてみたいと思った。でも今は入手困難だろうな(生産が追いついてない模様)。また、今日の放送ではなかったけど、「アメージンググレース」もやさしい感じの歌に仕上がっているんじゃないかな。
 アイドルポップスから、ミュージカル、クラシック、そしてアイドル時代だって、「1986年のマリリン」や「Sosotte」などのやや過激なところから「Oneway Genenration」のような曲、そして忌野清志郎作品でロックバンドを組んだり、Queenのブライアンメリーの作品を歌ったりして幅広いジャンルをこなしており、その一方で岩谷時子さんなどの作詞家に歌唱力を評価され、多くの人に愛され逝去を惜しまれる、ジャンルがとてつもなく広く、それでいて天使のようなシンガー。こういう人はなかなか出てこないんじゃないかな。同世代と知って、もっと見届けていたかった。