かがむ時期(その1)

 2/12にメダル4〜7位かなと書いたけど、こうなると1つとれれば上出来かなという感じかな。なぜ90年代に届いたメダルに、今は手が届くほどではないか考えてみる。
 もともと日本は冬のオリンピックは強くなくて、80年代まで通算のメダルは7個(札幌の表彰台独占含む)であったので、92年のアルベールビルでいきなり7個には驚いたものである。このときは、事前は橋本聖子伊藤みどりがメダル候補であり、実際彼女たちも獲得したが、なんといってもノルディック複合団体の金メダルは大きかった。競技名すら知らなかった競技のメダルは盛り上がるが、それ以上に萩原健司の出現は大きく、90年代の日本の冬季五輪の日本の好調は彼が引っ張ったといっても過言ではないだろう。
 92年頃の萩原は純ジャンプの選手よりも飛距離が出る選手で、ジャンプでも代表になれるのではという話を聞いたことがある。実際は萩原は複合に専念したが、当時の純ジャンプの選手が萩原のジャンプを積極的に取り入れたようである。このことと、80年代からのジャンプの強化策がうまくかみ合ったのが、98年の団体金メダルであろう。このときは原田が79mという大失敗ジャンプをしたにも関わらず、本人の2回も大ジャンプもあったが、大差で優勝している。
 その後のジャンプの不調は、ルール改正によるものといわれている。確かにその対応がうまくいってないのもあるが、2002年に優勝した選手の身長は168cmくらいであったので、新ルールを意識しすぎたか、日本の背の高いジャンパーがのびなかったのもあるだろう。そして、今回はむしろ不利なはずの岡部が代表となっているのをみると、ジャンプに関しては経済など様々な理由で次世代がうまく育って無くて、国内の競技環境を整えた上でもう少し待つ必要のある過渡期と考えた方がいいだろう。
 ノルデッィク複合に関しては、ジャンプの貯金を守りきるようなものだったので、距離重視となっては苦しいところだが、最近距離の強化も実りつつあるようで復活が楽しみである。
 ジャンプだけでなく、スケートその他の競技が今は過渡期、つまりかがむ時期なのだろう。スケートはメダルこそ無かったが、男子500mだって6位以内2人で2人とも若手なのでポテンシャルはやはり高いものと思うし、岡崎のがんばりには驚嘆する。ただ、再度羽ばたくためには、国内のスケート場の閉鎖に歯止めをかけて、選手がスケートを続けられる環境をきちんと作らないと沈んでしまう危険も大きい。
http://www2.asahi.com/torino2006/news/TKY200602160103.html

また、日刊スポーツの後藤氏は、やはり冬季スポーツの環境など日本の基礎体力が低いことを指摘している。
http://www.nikkansports.com/ns/sports/goto/top-goto.html