ワールドユース99の輝きは今何処に

 あの日本vsオーストラリアはとにかく残念であったし、ワールドユース99から積み重ねてきた代表の財産はどうなってしまうのだろう。
 99年4月、トルシエ監督が初めて指揮した国際大会のワールドユース99で選手達はナイジェリアの気候・環境のもとでたくましく戦っていた。小野や本山などは優秀選手に選ばれ、トルシエが選手達を孤児院に連れて行くなどしていた。
 チームも予選リーグを1位で突破した後、決勝トーナメントでポルトガル、メキシコ、ウルグアイという難敵を次々と撃破、決勝はスペインに敗れたものの見事に準優勝になった。特に準々決勝のメキシコ戦は観客が試合終了後に興奮してグランドに降りてくるほど魅了した。
 その彼らと、上の年代の宮本、中村、柳沢、さらに当時ペルージャの中心選手であった中田ヒデらのチームは、アジアは文句なく制覇、2002WCでも2勝した。
 そして今年、あの時のメンバーがドイツに7人行っている。中田浩二、小野、小笠原、高原、加地、遠藤、稲本。ただ、まだ彼らは当時の輝きを取り戻していない。加地はけがし、高原、小野はいまいちだったし、他は出場していない。遠藤のミドルシュート、小笠原の人を食ったようなパスやロングシュート、中田浩二ロングフィード、そして稲本はこのワールドユース時のけがをバネに2002WCで2得点、彼らの実力がまだ見られないのが残念である。
 実はあの準優勝したワールドユース99でも、初戦は敗れている。カメルーンに後半ロスタイムに決勝点を奪われ1-2と(今回のオーストラリア戦のような)逆転負け。 でも、当時のチームは初戦の逆転負けをものともせず、アメリカ、イングランドを破って予選リーグ1位となった。
 今年のドイツのチームも初戦逆転負けを食らい、このあとクロアチア、ブラジルと厳しい相手だが、開き直って、でもあきらめず、ワールドユース99の再現を目指し、輝きを取り戻してほしい。