ニューイヤーオペラコンサート2005

 つくば市ノバホールにて16:00から行われた。喜歌劇「こうもり」第2幕より(ヨハンシュトラウス作曲)を中心に「今宵オルロフスキー公爵邸の舞踏会に集う歌手たちの競演」と題しての2部構成。会場30分前にはすでに長蛇の列で、1000人近い会場は当然満員。
 第1部は、喜歌劇「こうもり」より。まず、オーケストラだけが入場し、金井誠さん指揮のもと、こうもり序曲がはじまる。このコンサートのためのメモリアルオーケストラだが、なかなかうまく圧倒されてしまう。おかげで以後の歌唱も安心して聴くことができた。
 序曲の後、喜歌劇の登場人物であるアイゼンシュタインやロザリンデ、ファルケなどが入場し、貴族の挨拶をかわす。と同時に合唱が入場する。
 出演は、アイゼンシュタイン:水船桂太郎、ロザリンデ:田中宏子、アデーレ:清水亜矢、ファルケ:堀部一寿、オルロフスキー公爵:西村佳子、イーダ:斉藤晴加、フランク:小橋琢水。
 パーティーの始まりを出演者たちや合唱が宣言するが、イーダのテンションが最初からあがりまくっている。妙に落ち着いたオルロフスキー公爵はふつう男性がやるのだろうかと思っていたが、連れ合いによるとズボン役といって女性がやるものだという。そして、水船さんが歌唱で会話で動きで、劇をひっぱり、それに彼に復讐する設定のファルケが答える。
 喜歌劇の進行の陰で合唱団員が世間話のふりをしたり、出演者にあわせて大声で笑ったり、そうこうしているうちに仮面をかぶったロザリンデが登場。声量、高音ののびに圧倒される。
 そして、最後のシャンパンの歌で合唱も一緒に乾杯のポーズ。連れ合いはソプラノのパートリーダーだが、合唱もいい感じだし、動きもユーモラス。ここまでは、オルロフスキー公爵邸でファルケがアイゼンシュタインに復讐する設定だが、その中でロザリンデは実はアイゼンシュタインの妻であるのだが、彼はそれに気づかないで、口説きにかかる始末。さあ、劇はどうなるかというところで20分の休憩に入る。
 第2部は、「カルメン」「フィガロの結婚」「椿姫」「マノン・レスコー」「ラ・ボエーム」などおなじみの歌劇が次々と登場。これまで登場しなかった歌い手が次々と登場してすばらしいオペラの歌声を披露する展開だが、実はこれらの歌も公爵邸のパーティーの続きという設定である。
 今度は、最初から合唱入場だが、座って待機。カルメン序曲のオーケストラもやはり聞き惚れるし、金井さんの指揮も安心してみてられる。時々、出演者の方をみたり、歌い終わったときに自ら拍手したり、出演者とオーケストラを乗せる乗せる。
 いきなりのカルメン「花の歌」でアイゼンシュタインがまた別の女性をくどく設定だが、導入はOK。その後、ソプラノの独唱が続き、「フィガロの結婚」や「ドン・ジョヴァンニ」で男女の掛け合いとなる。声と表情に動きがあり楽しめる。そして「椿姫」は次回あるとしたらメインの曲に据えてもおもしろいんじゃないかな。その間、歌手の紹介はファルケとイーダが交代していたのだが、途中ファルケが歌ってからは、紹介はイーダの独壇場。
 そして、ゲストの山本真由美さんがアイゼンシュタイン役の水船桂太郎さんと歌劇「ラ・ボエーム」を熱演。さすがプロのうまさで、すっかり引き込まれてしまうが、同時に劇としては、アイゼンシュタインがまた別の女性を口説くという設定なので、この劇の直前にロザリンデの怒りのせりふが入るが、それが会場で受ける。それにしても2人で顔をかなり寄せ合ってもあれだけの声がでるというのはすごい。
 「ラ・ボエーム」が終わると、トランペットが後ろに下がり、これまでのソリストがみんな合唱団に加わり、始まったのは歌劇「アイーダ」からご存じ「凱旋大行進曲」。合唱に厚みがまし、すごい迫力に、金井さんもオーケストラも乗りまくり。12/31に新潟で聞いたのに負けないくらいの勢いに満ちていた。
 そして、アイーダ終了後、ロザリンデが仮面をはずす。驚き、妻に許しをこうアイゼンシュタインの姿に、また会場から笑いが。まあ、ファルケの復讐成功などに免じてゆるしてもらう展開となり、最後の歌劇「椿姫」から「乾杯の歌」。ソロを歌うのは水船さん、山本さん、そしてロザリンデを演じた田中さん、たぶんこの3人が出演者の中で実力上位。で、合唱も盛り上がって終了のあと、ブラボーが飛び交うなか、アンコールは歌劇「ナブッコ」から「いけ我が想いよ。黄金の翼にのって」。ここ数日連れ合いが部屋で練習していた曲である。カーテンコールを数回繰り返し終演する。
 終演後、持ち合わせていたカメラで連れ合いと出演者の記念写真を数枚撮影し、会場をあとにする。