北京ヴァイオリン

 2年前に劇場で見たものを、今回映画サークルで見たのだが、前見たときには気づかないシーンが結構ありましたね。作品のテンポが結構よく、ここまで見せればあとは観客が想像して埋めていくだろうと言うところでさっさと場面展開していった。
 監督チェンカイコーふんするユイ教授の登場シーンでオペラの「ナブッコ」(「行け我が想いよ、黄金の翼にのって」)が流れたのは驚いた。普通のヴァイオリン曲だけと思っていたが、音楽の幅も結構広い。
 映画のメインテーマは、ヴァイオリンの才能豊かな息子と、それを支援する父親の愛情。ヴァイオリンは母親の形見であると説明されたが、話が進むうちにこの息子と父親の真実がほのめかされる。また、北京で出会う謎の女性リリもくせ者で気まぐれだが、根はいい人であり、そのことがこの2人の行動に大きい影響を与える。また、最初のヴァイオリン教師チアンの変わった猫との生活はともかく、音楽へのスタンスも興味深い。そしてユイ教授との出会い。音楽は誰のために。様々な思いを秘めて感動のラストシーンへ。