「ファイト」、風

 優(本仮屋ユイカ)が東京の夜景を眺めて、物思いにふける場面で、由紀さおりの歌う「風」がかぶさり、主な登場人物の今が映し出される。
 この「風」、オリジナルははしだのりひことシューベルツであり、北山修の代表作の1つである。歌自体はやはり高校時代にきいていたがそのことはピンとこなかった。しかし、大学に進学し仙台で一人暮らしをはじめ、そして大学のサークルなどで歌うようになって、「ちょっぴり寂しくて、ふりかえっても、そこにはただ風が吹いているだけ」というのが実感できるようになってきた。作詞の北山修が京都で活動し、そして京都の町の雰囲気と何となく合っているが、仙台とか東京とか、都会で一人でいるときには実にマッチする曲で、だから今日の主人公の優や啓太(緒形直人)がおかれた状況とあまりに合いすぎているのだ。
 そして、最後に「振り返らず泣かないで歩くんだ・・」は優や啓太に向けたメッセージで、ファイトを言い換えた歌詞になっている。うえをみて、とおくをみている優であるが、この風で歌われなかった2番にでてくる「恋をした切なさ」は来週語られるのであろう。