「ファイト」

 パンダの着ぐるみになった父の啓太(緒形直人)と話を進めるうちにどんどん深みにはまってしまうのは、優(本仮屋ユイカ)が学校に行けなくなった第8週と似た展開。優の場合は、母親の亜沙子(酒井法子)が四万に連れて行くとことで何とかしたが、啓太はどうなるのだろうか。
 それにしても、優が啓太にいった「しっかりしてよ」とか「東京に可能性はない」とか「お父さんの仕事はバネをつくること」などは、今の啓太にはかなりきついというか、言ってはまずいのではないかという言葉なのだが、実は、この言葉自体が自分にしっかりと跳ね返ってきて、しかも啓太が切れてしまったこともあって、優が抱え込むことになってしまい、見ていてかなりつらい展開に。
 しかも普通なら微笑ましい琴子(川原亜矢子)と太郎(瀬川亮)のデートにしても(普通、あの状況で彼氏いるときくかい?)、優が太郎に思いを寄せて、しかも琴子がこれまで優のよき相談相手であることを考えるとこれまたつらいものがある。なんて意地悪な設定なのでしょう。
 ところで、太郎が話していたキーストンの話、なんとなく実話かと感じてましたが1967年とはずいぶん前の話だったのですね。
http://www2.ocn.ne.jp/~kthr-wf/keystone.htm
 制作スタッフもよくこういう話を持ってくるなと感心(少し前の「てるてる家族」でも、やはり1970年頃のフランスの数学者が研究費集めのためレコードを作ったという本当かいな、という実話を紹介したことがある)。
 まあ、その一方で三原じゅん子の脱力ぶりは健在なのでほっと一息。