「ファイト」冷却

 予想されたこととはいえ、ビールを手酌されたり、お父さんの呼びかけを拒まれたり、挙げ句の果てに途中退席されては、太郎もへこむだろうな。琴子も恐縮するしかないし、むしろ傷心のはずの優が「仲居やろうか」と言い出す始末だし。まあ、太郎はこのところずっと舞い上がっていたところを隆行さんに冷や水を浴びせられたということか。
 一方、またも心乱れた隆行は、啓太のところで、娘をもつ父の寂しさを語りつつ少しずつ気持ちを落ち着かせるが、絹子さんのショーには帰らず。
 それで、予告にあった優の花嫁姿は啓太の想像であることは予想通りであったが、それで啓太が泣き出してしまうのと、亜沙子が隣にいるシーンとは思わなかった。
 そして、今週の歌のなごり雪をバックに隆行、優だけでなく琴子、太郎の傷心の姿も。最初見たときにはしっくりこなかったのだが、このなごり雪の歌詞を父親の気持ちにすると実にうまくはまりこむようで、去年よりずっときれいになったのは琴子だというも頷けて(でも優もそうであろう)、そういうことは全く考えもしなかった。(なごり雪の主人公はどうしても青年を連想してしまうので)
 優も、あの席に並べられるのは酷かと思ったが、隆行の行動を見てかえって落ち着いたのだろうか(呆然としているのは変わらないけど)。隆行の問いかけに太郎のことを話せるくらいにはなったが、やはり「恋人ができて・・」からは平常心ではいられない。涙声になって、泣き出してしまって、でも本心を話せる相手がいたのは良かったかもしれない。まあ、これは隆行が「自分の胸にしまっておく」しかないし、彼が琴子の父親というのは少し微妙であるが、でもこの話はお互いの気持ちが少しずつ落ち着くのを待つしかないだろう。隆行は、啓太の件もそうだし、仲居になる直前の亜沙子の話も静かに聞いていたし、木戸一家に対してなかなかの聞き上手であるし、絹子さんも結構聞き上手と思うし、琴子が彼らの娘であるのはなるほどなあと思う。
 一方、啓太の指が動かない・・。この話は来週に。