「山猫」

 新宿タカシマヤテアトルタイムズスクエアで上映されているが、座席はあまり良くなく、3時間の長丁場の作品を見るのは結構大変。
 さて、「山猫」はイタリアのルキノ・ヴィスコンティーの作品だが、シチリアの公爵とその家族、そして彼の身近の結婚話、その一方で時代背景となる革命(1860年頃)が描かれている。サリーナ公爵役のバートランカスタやその甥のタンクレディ役のアランドロンが実にいい味を出しているが、なんといってもニーノ・ロータの音楽がすごい。後半、舞踏会のシーンが延々と続くのだが、そのダンス音楽がすごく良くて飽きさせない。ニーノロータの音楽では、ヴィスコンティーと同時代のフェデリコ・フェリーニの「道」や「甘い生活」、またやはりアランドロン主演の「太陽がいっぱい」などでも素晴らしかったことを思い出す。
 そういえば、公爵や貴族の豪邸を舞台にした作品は、60年代のイタリアには結構あるような気がするが、どうだっただろうか?
 ちなみに、ヴィスコンティーを初めてみたのは、10年以上も前に仙台でみた「若者のすべて」。4時間近くの大作であったが、その直前に淀川長治さんの解説を生で聞いたことを思い出す。