ロングエンゲージメント

 近くの映画館で21:45からのレイトショーで見たが、予告編がはじまるまで、私と連れ合いしかいなかった。(最終的に5名になったが)。作品の力を考えるとこれは意外というかもったいないというか。
 第一次世界大戦で前線に送られ死んだと思われる婚約者マネクの生存を信じ、その手がかりを追いかける女性マチルドを「アメリ」のオドレイ・トトゥが素晴らしい演技で、2時間を超える作品も長く感じなかった。特に小児麻痺の影響で足を引きずりながらもパリに行ったり、マネクについての話を知るものに会いに行ったりする執念はすごいと思いつつ、7つ数える間に車掌が来れば彼は生きていると思う気持ちが切ない。
 遺品がマネクを探す手がかりとなったミステリーに引き込まれるが、特に手紙が実は暗号というのはおどろき。途中に出てきたジョディーフォスター(「コンタクト」など)が手紙をマチルダに送るなどの役割を果たすし、「ポンヌフの恋人」のドニラヴァンも登場。
 1920年代のパリや戦場のシーンなどの描写もなかなかであり、それだけにマネクとマチルドが愛し合った灯台近くや、マチルダの住む農家の穏やかさが引き立つ。