鯉のいる村

 上記の「掘るまいか」と併映だが、こちらも結構面白かった。この作品は山古志村の鯉を育てる話とその背景となった四季の変化が中心(皮肉なことに山古志村の鯉や闘牛は地震で有名になったような気がする)。
 村に住む少年のところに東京から親戚の少女がやってくる(母親が預けていった)。その少年がクロという鯉を密かに少女と一緒に育てる話で、そこに村のおじさんなどが関わってくる。1時間の短い作品で、最後は東京に帰る少女と別れる少年の切なさがクローズアップ。「草の乱」などの神山征二郎の第1作で1971年の作品だが、懐かしいと言うより地震直前まで鯉はこんな風に育てられたんだなという思いの方が強い。今はどうなっているのだろう。