モーターサイクルダイアリーズ

 12時頃から近くの映画館で鑑賞する。南米を舞台にする映画なので期待しながら。
 物語は若いアルゼンチンの医学生(エルネスト)が陽気な先輩(アルベルト)と一緒におんぼろバイクで南米1万キロの旅に出るものである。
 バイクのロードムービーというと1970年頃の「イージーライダー」を思い出す。でもこの作品はバイクからはみ出すほどの多くの荷物を乗せて2人乗りの旅というのと、エルネストを家族みんなで送り出すので、ちょっと様子が違うかな。でも未知の土地で新しい発見をしながら自分自身をも見つめていくのは変わらないだろう。
 そんなんで旅がはじまるが、これが前途多難だ。馬と競争になるくらいだから。しかも荷物の中にエルネストの恋人にあげるための犬が入っていたり。
 最初はまったりと進んでいた2人の旅、しかし多くの人との出会い、事件を通して2人の意識はどんどん変化していく。バイクが途中で壊れても歩きやヒッチハイクで旅は続く。
 この映画の2人と一緒に旅をしている気分になる。まだ見ぬ南米の広大な自然、ラテンのリズム、アンデス山脈の厳しい気候、チリの銅山での労働者を巡る厳しい環境に接し、そして、ペルーのインカ帝国の遺跡をみて繁栄時の人々に思いをはせる。その一方で時折開かれるダンスパーティーと音楽を楽しむ。
 エルネストが恋人からもらった15ドルの行方、ハンセン病の土地での様々なエピソードがすごく興味深いものであった。広大な南米のすばらしいロードムービー。この主人公エルネストは、若き日のチェ・ゲバラキューバ革命の指導者)である。